宮川 剛明

Interview

街を行く人々を見て、思う。この人たちに貢献できているのか。その責任も、いつか果たしたい。

宮川 剛明

西日本のディーラー営業を統括。
メンバーやチームリーダーと連携しながら、
現場を盛り上げる。

マネジャーとして、東海・関西・中国・九州という西日本全域を統括する責任者をしています。
考え方や動き方は、各マネジャーによって異なります。個人的にはできるだけ大げさにならず、フラットな存在でいたい。言い換えれば、「現場の盛り上げ役」のような存在でありたい。メンバー、チームリーダー、そしてマネジャー、それぞれにはそれぞれの役割がありますが、あくまでも「輪」や「円」を構成している要素のひとつだと思っています。とは言え、西日本全域で活動している社員はほかにはいませんので、特殊な立ち回り方をしているのは確かです。1日に3拠点に顔を出すこともありますし、会議と移動でほぼスケジュールは埋まっています。現場の盛り上げ役なので、まあ、当然なんですけどね。

「『現場の盛り上げ役』のような存在。それが私の仕事だと思う。」

宮川 剛明

自分のメリットではなく、
クライアントのメリットを喜べる。
それが営業のいちばん楽しいところ。

若いメンバーやチームリーダーと、クライアントのもとに同行することもあります。つい先日は、長いお付き合いのあるディーラーに同行しました。先方のお話は「掲載料はもう少し何とかならないのか?」という主旨でした。そこで私が言ったことは「チームリーダーに任せます」でした。チームリーダーは思い切りビビっていましたが、私としては伝えたいことがあった。お金をもらうのが仕事ではない。最高の提案をすれば、価格にかかわらず受け入れていただけるはずだと、私は確信していました。
組織に所属していると、どうしても自分のメリットに目が行きがちになります。「まわりに褒められたい」「給料を増やしたい」。でも、クライアントにとって、そんなことは全然嬉しくありません。クライアントはシンプルに「クルマが売れた」時に嬉しいもの。その手前の「問い合わせが来た」でもいいし、「メールが来た」でもいいですが、クライアントと一緒に喜べること。一緒のベクトルを持つこと。それが営業という仕事のいちばん大切で、いちばん楽しいところではないでしょうか。
実は、テクニックさえ身につければ、ものを売ることは簡単なのかもしれません。でも、人の心を動かすことは難しい。人をしあわせにすることは難しい。そこまでできて、価値なのだと思います。

「ものを売ることは簡単なのかもしれない。でも、人の心を動かすことは難しい。」

宮川 剛明
宮川 剛明

カーセンサーには、
日本を支え続けてきた自動車産業を
前に進める責任もある。

若い頃、よく圧倒的に劣勢のエリアを担当しました。ライバル媒体とのコンペになっても多数決で負けることもありました。なぜその劣勢をひっくり返せたのか。それは、要所要所で助けてくださった方がいらしたからです。
定年間際のある部長がいました。その人は、私を避け続けていました。私が訪ねた時、社屋の裏庭でつなぎを着て汗を流してクルマの中で作業をしていました。「もうおれには仕事もないから、若い連中が売りやすいように中古車をチェックしてるんや」。感動しました。私は、冷えたお茶を渡しました。クルマの中で、部長が言った。「見積持ってこい」。そのひと言、いまでも忘れられません。
後に「連敗続きの宮川を何とかしてやりたかった」と手紙をくださった方もいました。大見得を切って言った「5倍儲けさせます!」というハッタリが実現した時には、電車で駆け付けて、朝まで祝杯をあげてくださいました。想い返せば、仕事というより修行のような日々でした。
街を行き交う人々の背中を見て、ふと、思うことがあります。この人たちに自分は何かいい影響を与えられているか。自動車産業は、日本を支えてきた基幹産業です。カーセンサーはそこに携わる、責任の重い事業だと私は思っています。目の前のことに精いっぱいになりながら、社会にも目を向け、もっと大きな価値をつくり出すこと。それを、みんなの力でつくれれば、と思っています。

「連敗続きの宮川を、何とかしてやりたかった、という手紙。」

宮川 剛明

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